キミを奪いたい


主役の子がまだ来ていないから、とりあえずメンバーたちにバイバイして、幹部室へと移動。


入った途端、やっぱり懐かしさが込み上げてきて、いつものソファーに座った瞬間、落ち着くなぁ……と改めて思った。




「あやの、なんか飲むー?」

「うーん……紅茶がいいな」

「何味?」

「えっと……アプリコット!」

「おっけ~」



指でOKサインをした瑠衣が満面の笑みでキッチンへと向かう。


あんな風に見えて、瑠衣は紅茶を淹れるのが上手い。


初めて淹れてくれたとき「瑠衣が淹れてくれたの一番美味しい!」と言ってから気を良くしたらしく、

それから紅茶を淹れるのは瑠衣の役目みたいになっている。


でも、ほんとにお世辞抜きで瑠衣がいれてくれた紅茶は美味しいんだよね。


最近じゃあ、紅茶の淹れ方までネットで検索しているから、淹れるたびに腕が上がっている気がする。

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