キミを奪いたい
「ほいよ」
「わぁ、ありがとう!」
気が利く瑠衣は、お茶のお供にクッキーも一緒に持ってきてくれた。
まずは紅茶香りを楽しんでから一口。
うん、やっぱり美味しい。
たまにクッキーを挟みながら幹部たちとお茶の時間を楽しんでいると、コンコンとノックの音がした。
そっと開いたドアから顔を覗かせたのは、頻繁に倉庫に顔を出している逢央(アオ)くん。
「総長、準備出来ました!」
「分かった。すぐ行く」
ぺこりと丁寧にお辞儀をした逢央くんに手を振って、食器を片付け始める。
一通り片付け終えてから、幹部たちと一緒に一階へ。
「うわ、今回もすごいね」
上から見下ろすと、さっきまで広々としていた一階スペースが簡易テーブルと人で溢れていて。
毎月のことだけど、その人数の多さに驚く。