キミを奪いたい



私は緋月の姫だけど、総長である侑真とつき合っているわけではない。

私が姫になったのは、お兄ちゃんが侑真の前の総長だったから。



お兄ちゃんは当時、彼女がいなかった。


総長の女がいないということは、姫を利用することが出来ないということ。

そうなったとき、次に狙われるのは総長の妹である私だった。




ある日、一瞬の隙をついて敵にさらわれてしまった私。


すぐにお兄ちゃんや侑真たちが助けてくれたけど、あのときは本当に怖かった。今でもあのときのことを思い出すと身震いする。



私が緋月の姫になったのは狙われたその日から。


私はお兄ちゃんに彼女が出来るまでという約束で姫の座に就くことになったけど、その後お兄ちゃんに彼女が出来ることはなく、引退。


総長が代わるとき私も一緒に辞めるつもりだったけど、今の総長の侑真が「どちらかに恋人が出来るまで姫でいて欲しい」と言ってくれてそのまま続行することになった。
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