キミを奪いたい


……なんて、そんなことを思いながら歩いていたら、


「ぅわっ!」


足元に縁石があるのを見てなくて、思いっきり足を引っかけてしまった。



「あーちゃん!」

「うぉ!あぶね!」



引っかけた瞬間転倒を覚悟したけど、ちょうどなっちゃんが真横にいてくれたお陰でなんとか転倒は免れることが出来た。



「あーちゃん、大丈夫?」

「うん、ありがとう。ごめんね」


支えてくれたなっちゃんにお礼を言いながら、ゆっくりと体勢を整える。



もう、恥ずかしすぎる……


メイン通りから外れてると言っても人通りは結構多い。


こんな所で思いっきり転けたら、恥ずかしくて繁華街歩けなくなってしまう。

今度からちゃんと下見て歩こう。


そう心の中で誓い、顔を上げようとしたときだった。


「えっ?」


離そうと思っていたなっちゃんの腕に急に抱き寄せられて、また体が横へと傾いた。

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