キミを奪いたい



……ナギサ、くん?


振り返った先にいたのは、Zeusのメンバーであるナギサくんだった。



「なんで……」



ナギサくんがこんな所にいるの?

たまたま?……な訳ないよね。



ここは大通りから一筋中に入っている、言わば裏道。

だから、地元の人じゃない限り大通りでもないこの道をたまたま通るなんてことはありえない。


となると……



「言いたいことがあって」



私に用があってわざわざ来たんだ。


キュッと口を結んでからナギサくんに向き直り、口を開く。



「……言いたいことってなんですか?」



敵対しているチームの姫の家に来るぐらいだ。余程の理由があるはず。


その理由は聞かなくても大体想像がつくけれど。



「うちのトップのことで、ね」



っていうか、私たちの共通点は“それ”しかない。
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