キミを奪いたい


「び、ビックリした!なんだよコイツら!」



二人の前に転がっているのは、傷だらけの男たち。


一目見ただけでただ事ではないと感じた私は、隣にいた侑真にギュッとしがみついた。



暴走族の姫をやっていていても、こういう状況に遭遇することはめったにない。


緋月が名の知れたチームだということもあるし、ケンカ────抗争するとしても私がいない所でしているから。


だから、いざ遭遇してしまうとこんな風に震えてしまう。




「あやの、隠れてろ」

「う、うん」



私に見せないように背中に隠してくれる侑真。


そんな侑真の前に並んでいる瑠衣と颯太は、見ていないから分からないけれど、会話から察するに転がっている男の人たちを観察しているようだった。

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