キミを奪いたい
「で、コイツ等をこんな風にしたヤツはどこだよ?」
「はーい。此処にいるけどー?」
「っ、」
声が聞こえてきたのは、脇道──からではなく、私の背後から。
まさか背後から現れるなんて思ってもみなかった私は、すぐさなま侑真の背後に隠れて思いっきりしがみ付いた。
「ふふ。おねーさん可愛いねー。大丈夫だよー。俺、女の子にはやさしーから」
怖いと思いながらも見てしまったのは、男の人の口調が緊迫したこの場に不釣り合いだったから。