キミを奪いたい
「……テメェ、何者だ」
「あ、そこから?全然分からない?俺ら最近頑張ってるんだけどなぁ」
「……っ、テメェ、もしかしてZeusか!?」
「なーんだ、知ってるじゃん。そう、俺Zeus。よろしくね、緋月の皆サン」
にっこりと放たれた笑みは私に向けた笑顔と同じものだったけど、身にまとっているオーラはさっきとなにも変わらない。
ふふっと、まるで挑発しているような微笑が空気を揺らしたかと思えば、次の瞬間にはその微笑も消失。
目が言っている。
お前らは敵だと。
むき出しになった敵意が、まっすぐ私たち緋月に突き刺さってくる。