キミを奪いたい



なんで、リョウがここに……?



騒いでいたせいか、初めにリョウに気付いたのはごく一部の人間だけだった。


私と幹部たちの表情が固まったことでメンバー数人がリョウの存在に気付き、その後伝染するように次々とリョウへと視線が向けられる。


中にはリョウを見たことがないメンバーもいるようで、不思議な顔で首を傾げていた。



「……あやのちゃん?」


不思議な顔をしているのはリンちゃんたち鳳皇幹部にも言えることで。

固まってしまった私たちを見て幹部同士顔を見合わせている。



「リンちゃん、リョウが……」

「リョウ……? って、もしかして……」



リンちゃんにはリョウのことを相談していた。

侑真たちには言っていない、リョウへの気持ちも、全て。
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