キミを奪いたい


「リョウが、なんで………」



本当に信じられなかった。

リョウが目の前にいることが。


だって、リョウは敵対してる側の人間で、よほどの理由がない限りここへ来ることはない。



“よほどの”……?


それって、もしかして────



脳裏をよぎったのは、“ある”光景。


……そうだ。私、この光景を前にも見たことがある。


今のこの状況は、あの時────雷神が乗り込んできた時と全く同じ状況なんだ。


唯一あの時と違うのは、雷神は複数人で、リョウは一人だっていうこと。


一人で来たということは、ケンカが目的で来たんじゃない……?


じゃあ────?

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