キミを奪いたい
……え?
「家と、縁を切る……?」
そう確かに言葉を紡いだはずなのに、頭では全然理解出来ずにいた。
家と、縁を切る……?
誰が? リョウが……?
なんで……?
縁を切るということは何とか理解した。
けれど、なぜリョウが家と縁を切るのか、
なぜそれ私に伝えに来たのか、
それが全然分からなかった。
それは私だけではなく、侑真も疑問に思ったようで。
「それはどういう────」
「はいはい、ストーップ」
その理由を問いかけようとした時、まさかのストップがかかった。
止めたのは、鳳皇の副総長である煌さんで。
煌さんは右手を軽く上げながら、気だるげに数歩前へと出た。
「俺ら第三者だからさ。さすがにそれ以上聞くわけにはいかねーんだわ」