キミを奪いたい



なん、で……?
なんでリョウがこんな所にいるの……?

なんで……



「あ、やっと来た。おっそいよリョウー!俺がやられちゃったらどうすんのー」

「っ、」



男の子がこっちを見たことによって必然的にこちらに向けられたリョウの視線。


頭の中では、リョウを見つけた瞬間から嫌な警告音が鳴り響いていた。


それなのに私は、リョウと目が合うその瞬間まで─────手も足も、指の一本さえ動かすことが出来なかった。


そんな石のように硬直してしまった私を、リョウの気だるげな双眸が捉える。


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