キミを奪いたい
「笑うな」
「だって……」
いつものリョウならそんな事気にせずにするのに。
「久しぶりだと加減出来ねーかもしんねーから覚悟しとくんだな」
「かっ……!ってそんな久しぶりでもないような……」
だって、キスしたの二週間も経ってない……よね?
「十分久しぶりだろ。今までは別れてたから我慢してたけど、俺のモンになったら我慢するつもりねーから」
「……」
何だろう。身の危険を感じる。
今すぐ頭からかぶりつかれそうな勢いが……
っていうか、別れてた時我慢してなかったけどね。何なら首噛まれたし。
「期待すんなよ」
「き、期待なんか……!」
赤くなったのはそういう意味じゃなくて、あの時の事を思い出したからで!
って、そんなことよりも!
「お母さんが後押ししてくれたってどういうこと?」
話を変える目的もあったけど、それよりもその言葉の意味の方が気になっていた。
「……あー、イライラしすぎてバレたんだよ」
「え?」
バレた? 何が?
「お前のこと。お袋に」
「えっ」