キミを奪いたい
「はーい、紹介しまーす。コレが俺らのトップ、リョウで-す!よろしくしてやってねー!」
「っ、」
……え? 今、なんて言ったの?
リョウが、Zeusのトップ……?
あの男の子のチームの、トップ?
それって……つまり緋月の敵っていうことだよね?
そんな……そんなことって……。
男の子の発したことがすぐには理解出来なくて、リョウが現れて初めてリョウから目を逸らした。
見つめるのは、人の気も知らないで一人楽しそうに笑っている男の子。
きっと、味方であるリョウが現れてテンションが上がっているのだろう。
陽気な口調はこの張り詰めた場には不釣り合いに思えて、こちら側の空気がピリッと揺れたように感じた。