キミを奪いたい
「ちょ、オイ、リョウ!」
突然きびすを返したリョウを、仲間である男の子があわてて引き止める。
けど、リョウは返事どころか振り向きもせずに歩いて行ってしまった。
「アイツら緋月だぞ!?いいのかよ!?」
歩き続けるリョウに男の子はさらに投げかけるけれど、それも無視。
我が道を進むリョウに男の子は「ハァ……」と盛大にため息を吐き出したあと、ふたたび私達の方へと視線を戻してきた。
「ウチのトップ、気まぐれなんだよね。てな訳で、手合わせはまた今度。じゃあね、緋月の皆サン」
「っ、オイ!待てよ!」
「瑠衣」
「……っ、」