キミを奪いたい
「リョウ……ごめんね」
一心に愛を伝えてくれたリョウ。
毎日逢いに来てくれて、好きだって沢山言ってくれた。それと同じぐらいキスもしてくれた。
逢えなくなっても私が寂しくないように毎日電話してくれた。
「隠してて本当にごめ……」
間違いなく私はリョウに愛されていた。
私も心からリョウを愛していた。
けど、その愛を感じられるのも今日で最後。
敵だと知ってしまった以上、その愛が私に向けられることはない。
私だって、リョウにはもう伝えられない。
私には緋月のみんなを裏切ることなんて出来ないから。