キミを奪いたい
「アイツの女じゃねぇんだろ?」
「リョ────」
「違うんだろ?」
違う────その言葉以外受け付けないとでも言うようなリョウの物言いに、すぐそこまで出かかっていた言葉が引っ込んでしまった。
いつもは冷静過ぎるほど冷静なのに、今日のリョウはそれが皆無に見えて。
今にも食らい付かれそうな獰猛な瞳に怯んでしまう。
でも、
それでも言わなきゃいけないんだ。
「あやの」
「……っ、ごめんなさいっ!」
「っ」