キミを奪いたい



「侑真!ちょっと来てくれ!」



突然バンッと大きい音がして振り返れば、そこにいたのは幹部である颯太で。


音が響くほど荒々しくドアを開けたことにも驚いたけど、なによりも驚いたのはいつも穏やかで優しい颯太が切羽詰まった顔で駆け寄って来たことだった。



こんな焦った颯太、見たことない。一体なにがあったの?




「どうした、なにがあった」



侑真は颯太の切羽詰まった様子になにかを感じ取ったのか、すぐさま立ち上がってそう聞き返した。



「下の奴等が雷神にやられた」



……え?



「雷、神……?」



……ちょっと待って。どういうこと?
雷神はリョウに……Zeusにやられたって前言ってなかった?




「────Zeusか?」


「っ、」


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