キミを奪いたい


それから私は帰り支度をして、侑真たち幹部がいない時によく送ってくれるメンバーの子に家まで送ってもらった。



「あやのちん、また明日ね」

「うん、いつもありがとう」



バイバイと手を振って、姿が見えなくなるまで見送る。

見えなくなったところでふぅっと一息ついて家に入ろうと振り返れば、ちょうどお兄ちゃんが玄関から出てきたところだった。





「あれ、あやの、今日は帰ってくるの早いね」

「あ、うん、ちょっと色々あったみたいだから先に帰ってきたの。お兄ちゃんは今からどっか行くの?」

「うん、陽沙(ヒサ)とご飯食べにね」

「え、陽沙ちゃんと!?陽沙ちゃん元気にしてる?」

「うん、元気元気。そういえば陽沙も同じこと言ってたな」

「え、そうなの?私も超元気って言っておいてね」

「言われなくてももう言ってあるよ。だってあやのはいつも元気だろ?」

「もう、お兄ちゃん!」

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