嘘は輝(ひかり)への道しるべ
 駅までの帰り道を、愛輝と美香は並んで歩いた。

「ねえ今日,愛輝の家に寄ってもいい?」

 美香が嬉しそうな顔を愛輝へ向けた。


「もちろんいいわよ。久しぶりね」

 愛輝も嬉しくなり、笑顔になる。

「ずっと部活の練習だったからね」


 愛輝の家は高校から一駅の、都心より外れた場所にあった。

 家の門の前までくると、インターホンを押す。自動に門が開き、玄関までの長い道を二人は歩いた。
 家というよりお屋敷の玄関の屋根は大きく、車が通れるロータリーとなっている。

 愛輝は玄関の大きなドアを開けた。


「おかえりなさいませ」

 ばあやが笑顔で出迎え、その後ろに二人のメイドが頭を下げる。


「こんにちは、おじゃましてもいいですか?」

 美香の明るい声に、ばあやの顔が綻んだ……


「まあ、美香さんお久しぶり。今、頂きも物のイチゴで作ったパイが焼き上がったところですよ、召し上てってくださいな」

 ばあやは嬉しそうに美香を招き入れた。


「ラッキー、おながペコペコだったのよ。ばあやありがとう」

 ばあやは、いそいそとメイドを連れお茶の準備に向かっていった。
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