嘘は輝(ひかり)への道しるべ
 白いワンピースに身を包んだヒカリは

 「カシャッ カシャツ」

 とカメラのシャッタ―の音に笑顔を見せる。


 どんな時もヒカリはプロとしての意識を忘れない。

 それが真二が今望んでいる事だと愛輝は分かっているからだ。


 カメラマンの声に見せた笑顔に、誰もが息を呑んだ。



 愛輝にとって、ヒカリは光りだったのかもしれないが、けして愛輝が影と言うわけではない。


 ヒカリも愛輝なのだ…… 


 愛輝に、自信を持って自分の道を歩む事へ導いてくれたのがヒカリなのだ……


 愛輝は、真直ぐな瞳を向け、カメラの前に立つ……



「はい、オッケ――!」


 カメマンの声が響き、周りで構えていた人達が慌ただしく動き始めた。



 ヒカリは大きく息を着き、誰にと言う訳でなく深々と頭を下げた。
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