実は人じゃないんです
家に帰ると誰もいない部屋が自分を迎えてくれる




「おかえりー楽しかった?」

いつもなら明るく聞いてくる姉ちゃんは今も病院で目を閉じて横たわっている


(なんで)
(なんでなんでなんでなんでなんで)

たくさんのなんでが頭をぐるぐる回って気持ち悪い
くらくらする









キ モ チ ワ ル イ








「うっ」



急いでトイレに駆け込み便器のふたをあけた
顔面を便器につっこむような勢いでえずく

「・・・おえぇっ」


かはっと全部吐き出してしまってもまだ吐き足りない

頭がぐらぐらして吐き気はするのに喉が何かを欲するように渇く







・・・・・・・・・・・・姉ちゃん







『葵。姉ちゃんが守ってあげるから』


そういったくせに


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