実は人じゃないんです
試験当日


「頑張ってね」

「わかってるって」


行ってきますといつものように開け放った扉

少し余裕をもって家を出たからか
歩くペースはいつもより遅め

(お、神社がある)

俺は坂の上にある神社を下から眺めた。
高い坂の上にあるそれは下からは木に隠れてよく見えない


姉ちゃんがいつもいってるのはここだな

坂を登ってそのうえ階段を上って

こんなのいくバカなんて姉ちゃんくらいじゃないのか?

いっつもそうだ
真面目でしっかり者のくせに
どこか抜けてるとこもある

昨日だってなんもないとこでこけて。

危ないったらありゃしない


・・・白いワンピース・・・

ちらりとみえた風に揺れたのは白色のワンピース

(やばい)
姉ちゃんだけじゃなかったみたいだ

こんなボロい、行くのもしんどい神社に行っているのは

見ていたことを悟られないように
俺は歩くペースをシャカシャカとあげた
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