実は人じゃないんです
「おはよう。姉ちゃん」



姉ちゃんが事故にあってから一か月と少し経った
俺は毎日のように病院に通ってから学校に行く



姉ちゃんは今もまだ目を覚まさない



だけど、俺はもう自殺するような馬鹿な真似はしなかった



学校までは病院から自転車を飛ばして少し。
それがとても楽だ



季節はかわり、桜が咲いて、もうすぐ散るころ

あの神社に咲いている桜はまだもう少しもちそうだ

(姉ちゃんに見せてやりたい)
(だから、早く良くなってよな)


心の中で呟いて、俺は病室を出た
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