実は人じゃないんです
「・・・え・・・?」

姉ちゃんのお見舞いを終え、玄関へ行く
自動ドアを通ったあとにある待合室

ごほごほと咳をする人
痛いよぉと泣きわめく子供


そのなかに見慣れた少女がいる
色白で、小さな顔に張り付けられた大きな目。さらさらの髪

「・・・ヒ・・ナタ・・・?」

「あれ、アオイ?」

「なんでここにいるのー?」とニコニコ笑う彼女

いや、なんで、ってそれは俺のセリフだろう



「ヒ、ヒナタはなんでここにいるんだ?」


まさか、「重い病気なの。」とかいわれたら、・・・俺、死ぬ




「・・・アオイには黙っておきたかったんだけど・・・私、もうすぐ死ぬみたい」


あははと軽く笑うヒナタ

「え・・・?」
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