実は人じゃないんです
「あははっ」
「もー!!!」







笑ったら





楽しい





あんな教師と周りの適当な大人たちと比べたらヒナタは天使のようだ。





心から俺を心配してくれる



「俺さ、もー死んでもいいわ」

「なんで?まだ死にたいの?」



そうじゃなくて、



「ヒナタはさ、俺が死んだら悲しんでくれるんだろ?だから死にたい」

「どういうこと?」

「必要とされてるって感じがするじゃん」

ヒナタにはわかんないかもしんないけど、
誰にも求められない自分は
”存在価値がない”
って思う。

馬鹿にされそうだからいわないけど。

「なるほどね、なんとなくわかるよ」

わかるのか

ヒナタにも、なにかあるのかもしれない
隠してる闇ってやつが

こんな俺の気持ちがわかるなんてちょっとやばい

普通じゃないかもしれない

「誰かに必要とされることは自分が生きている証拠。
必要とされなくなった ”ワタシ” は ”ゴミ” 。
生きてる価値もない
って思うときがあるよね」


笑うヒナタはどことなく俺と似ているように見えた

ヒナタは、俺と似ている・・・?


もしかしたら俺みたいにヒナタも何かあるんじゃないのか?











会うたび会うたび、日に日にその疑問は俺の心の中にじわじわと広がっていった
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