実は人じゃないんです
「アオイ〜?」
居間を覗くとアオイの姿はなかった
あの日
事故にあった日
アオイの事を考えていた
あの子を1人にはできないと
私がいなければならないと
思っていた
事実こうやって助かった訳だが
自分の体は自分が一番わかっているとはこのことで。
私はもうすぐ死ぬのだと理解している
アオイは…
優しい弟は、心配かけないようにとか色々配慮してくれているけれど
私はもうすぐ死ぬ
それまでに私はしないといけないことがある
「出掛けたのかな」
アオイ
私の最愛の弟
いつも守ろうとしてくれた
助けてくれようとしてくれた
それがとてつもなく
嬉しかった
私はそっと引き出しから便箋を取り出し、シャープペンシルを手に取った
アオイへ…