実は人じゃないんです
「なんで、だよ」

なんで、俺の周りはみんな
大切にすればするほど消えてく…?
大事な人ほど死んでいく??

両親が死んで
頼れるのは姉ちゃんだけだった

姉ちゃんが事故にあって
絶望から光ある場所に連れ出してくれたのはヒナタだった

死のうとした俺に
生きてって言った

今、頼れるのはお前だけだった


涙がおちる


「黙ってた事は謝る。だけどそれより伝えることがあるの」

「伝える、こと…」

ヒナタは頷いて唇を開いた

「私はもうすぐ消えます。幽霊だからって永遠の時があるわけじゃないみたいだった。アオイが今辛くて辛くて立ってられない時かもしれない
だけど、私にはもう時間がない
叶うことなら手を差し伸べて抱きしめてあげたい。
だけどもう。それも出来ない」


出来ない?
俺の疑問をまるでわかっているかのようにヒナタは俺に手を差し伸べた
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