実は人じゃないんです
2日後、葬式があった
小さい頃引き取ってくれると言った母の妹家族が金は出してくれた

姉ちゃんが小中と友達だった人に連絡して、葬式に呼んだ

親戚は母の妹家族以外誰も来なかった

両親は駆け落ちだった。母の妹家族以外連絡を取っていなかったらしく親戚の行方は不明

俺が9歳で姉ちゃんが15の時引き取ってくれようとした真っ赤な爪の女の人は
優しそうな奥さんになっていた

姉ちゃんの友達はたくさん来た
姉ちゃんは慕われていた
沢山の人が泣いた



「今日は本当に姉のためにありがとうございました」



「なんで、あの子がこんな目に…」

涙を流しながら姉ちゃんの友達は俺に言った




お前が死ねばよかったのに
と、聞こえる気がする



「本当に、優しくていい子でした…!私は、いい友人をもっ…持って、幸せで、した…!」


嗚咽しながら言う人もいた



なんでお前が死ななかった
あの子の方が優しくていい子だった!



「お姉さんには、よくしてもらいました」


男の人まで悲しそうな目を向ける

お前にはなんの価値もない
死ね死ね死ね死ね死ね!


「本日は本当に、ありがとうございました」


葬式の中、俺は泣けなかった
姉ちゃんの友達はたくさん泣いていたのに
俺は
俺の目からはもう一粒の涙も出て来なかった

姉を褒め称える言葉は
俺の心臓を貫いて凍らせた

死ねと言われているようだった


そして俺もまた、当たり前に

俺が死ねばよかったと
思った
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