実は人じゃないんです

ゆっくりと扉を開ける

そこには隣にいる君が眠っていた

「本当、だったのか」

その光景は驚くほど綺麗だった

光が差し込んで
キラキラと髪が光る
白い肌
細い手足

足が動かない
声が出ない

ただ、
心が震えた



「アオイ?」
声をかけられてやっと体が動くようになる

「…」
俺は何も言わず眠っている少女の手に触れた

温かい

生きてる



よかった…


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