実は人じゃないんです
「私ね
本体に触れないの

体の中に戻ろうって思っても無理なの」

笑うヒナタの顔がまた、泣いているように見えた

「もしもお前が
目を覚ましたら。お前はまた虐待されていじめにあうかもしれない

それでもお前は元に戻りたいと思うか?」

俺なら無理かもしれない
戻る事なく死を選ぶかもしれない

だけどお前はきっと…

「戻りたい。
私は自殺をした事後悔してるの

家族のことは仕方ないかもしれないけど、友達関係はきっと、私にもできることがあったはずなの」

そう言うと思ったよ

俺は眠る少女の頬に触れて
ゆっくりと口付けた
< 80 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop