実は人じゃないんです
ピッピッピッピッピッピッピ




「・・・・姉ちゃん・・・何で・・・」


病院のベットの上で横たわりいくつもの線でつながれた姉ちゃんに言ったところで言葉を返してくれるわけもない






電話を通した低い声で『〇〇病院ですが、お姉さんが事故にあわれました。至急いらしてください』って

嘘だろって思った
でもとにかく行かなきゃって



急いで俺は自転車を飛ばした
電車のほうが早かったかもしれない
だけど俺は冷静にそんなこと考えていれなくて。





姉ちゃんはどんくさくて、危なっかしいけどまさか





事故にあったって言ってもきっと「あははーどじっちゃった」って笑いかけてくれるって







思ってたのに・・・・・・・・

今、俺の前にいる姉ちゃんは笑いかけてはくれない





「・・・何で姉ちゃんは・・・」

「お姉さんにの心情はわかりかねますが、そばに傘が二つ落ちていた事からかんがえて、きっとお姉さんは・・・」


先生は複雑そうな表情で言った


『雨で帰ってこれない弟さん・・・あなたを、迎えに行ったんでしょう』










雨の中
帰らない俺を心配して・・・?


「はは・・・どんだけブラコンなんだよ・・・・・・・・・・


姉ちゃん・・・」
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