明日が来るまでそばにいて
直哉side
俺には好きな子がいる。

名前は斉藤美羅。

美羅は学校1の美女。多分自覚はしてないだろう。高校1年生のときは笑ったりしてすごく感情豊かな子だった。
でも1年生の終わりくらいから全く笑わなくたった。
なんでかはわからない。

2年になって同じクラスになった。

友達はたくさんいるみたいだけど誰ともつるまない。一匹狼みたいな感じ。
毎日つまらなそうにしている。

雨の日の登校中に美羅が倒れてるのを見て助けた。

すごい具合が悪そうだった。

次の日も同じ感じで倒れかけた。

絶対なんかあると思ってたら予感が的中した。

脳腫瘍だって。聞いたことがある。
治るのかな?

なんでそれを言ってくれないのだろう。

その後美羅を誘い公園に行った。
すべて話してくれた。

余命がある。


その言葉で俺の頭の中は真っ白になった。

なんで美羅なんだよ

神様を恨んだ。

次の日から毎日お見舞いに行っている。
美羅はすごく喜んでくれる。
それを見て俺も嬉しくなる。

美羅は本当に死んじゃうのだろうか、
何かの嘘なんじゃないか、
毎日そんなことを思う。


巨峰ゼリーを買って病院に向かう。

美羅、喜ぶかな?

美羅の病室に行った。
けど美羅はいない。

どこか散歩でもしてるのかな?

ゼリーだけ置いて美羅を探す。

ロビーから美羅の声がした。
隣には男が座っている。

それを見ただけでイライラした。

もう少し近づいた。

会話の内容が聞こえた。

俺はその会話を聞いてア然とした。

美羅はこの男がいなくなって笑わなくなった。
この男が大好きだった。


俺じゃこいつには敵わない。

こいつの方が美羅を知っている。

美羅のことを思っている。


美羅もこいつを思っている。


そんな奴に敵うわけないんだ。

急に惨めな気持ちになり病院を飛び出した。


俺は美羅のことがだいぶ好きになっていってる。でも美羅にとってこの気持ちは重荷だ。
美羅に迷惑がかかる。

おれは次の日から美羅のお見舞いに行くのをやめた。




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