最初で最後の恋だから。ーセンセイー
バスを乗り継ぎ家に程近い公園を通った時、園内の時計は8時半を指していた。

(もう少し)

家に帰る足取りは重かった。

どんな言い訳をしたら許して貰えるのだろう。

門限は八8時だった。

今まで私はそれを破った事は一度もなかった。

ガチャガチャ。

家に着いて鍵を差し込んだはずなのにドアが開かない。

内鍵が掛かっていた。

もう夜だ。

私は家に入ることを諦めドアの前に荷物を下ろした。

ドアにもたれ掛かり夜空を見上げた。

「羨ましいな・・・。」

星と月が並んで輝いていた。

私も一つの星になれたならいいのに。
< 14 / 121 >

この作品をシェア

pagetop