最初で最後の恋だから。ーセンセイー
光が目に当たり朝が来たことを知った。

腕時計を見ると5時半だった。

諦め半分でドアノブを回すと玄関が開いた。

私は黙ったまま玄関から二階の自分の部屋へ向かった。

着替えを持ってバスルームに行くとキッチンに母がいた。

「昨日はどうして門限に帰れなかったの。」

ピリピリした静かな怒りが伝わってくる。

「ごめんなさい、委員会で遅くなったの。」

「・・・。」

それ以上母は何も言わなかった。

私も何も言わなかった。

バスルームでシャワーを浴びると眠くなった。

普通は眠気が覚めるものだろうと思うけど昨日は普通じゃなかったから。

少しだけ眠ろうと思ってベッドに横になった。
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