最初で最後の恋だから。ーセンセイー
渡り廊下まで来た所で紗智が歩くのを止めた。
「ゆずちゃん、行っておいでよ。」
「え?」
「恋のお邪魔はしない主義だもん。」
「私はもう・・・。」
「ゆずちゃん。
諦める必要ないよね??」
「え・・・?
「だって好きなんだもん。」
目から鱗の紗智の言葉だった。
「自分の気持ちは自分のものだよ??
ガンバレ。」
紗智は背中を押すと家庭科室へ戻ってしまった。
私はラッピングされたお菓子を両手に持ち直して職員室へ向かった。
「伊藤先生。」
「どうした?』
「家庭科部のお裾分けです。」
「ありがとう。」
「大分、部活には馴染んだみたいだな。」
「はい。」
「最初は心配してたんだが。」
「先生は心配し過ぎです。」
「・・・お前は、放っておけないんだ。」
先生は小さく呟いた。
(どうして?)
聞きたい言葉は声にならない。
こんなに近くに居るのに先生の心は見えない。
「そう言えば、解って貰えたか?」
「まだ・・・。」
「そうか。」
「諦めなければ必ず夢は叶うから。」
「出来ることからやってごらん。」
「出来ること?」
「自分が成長した所を見て貰うとか。」
「例えば?」
「文化祭の一般入場日に招待してみたらどうだ?」
「来てくれるかな・・・。」
「伝えてごらん。
する前から不安になって尻込みするのはお前の悪い癖だよ。」
先生が優しく笑う。
その笑顔に胸がきゅうっとなる。
先生の事が好き。
だから・・・。
卒業の日までこの想いは温めておこう。
生徒じゃなくなるその日まで。
「ゆずちゃん、行っておいでよ。」
「え?」
「恋のお邪魔はしない主義だもん。」
「私はもう・・・。」
「ゆずちゃん。
諦める必要ないよね??」
「え・・・?
「だって好きなんだもん。」
目から鱗の紗智の言葉だった。
「自分の気持ちは自分のものだよ??
ガンバレ。」
紗智は背中を押すと家庭科室へ戻ってしまった。
私はラッピングされたお菓子を両手に持ち直して職員室へ向かった。
「伊藤先生。」
「どうした?』
「家庭科部のお裾分けです。」
「ありがとう。」
「大分、部活には馴染んだみたいだな。」
「はい。」
「最初は心配してたんだが。」
「先生は心配し過ぎです。」
「・・・お前は、放っておけないんだ。」
先生は小さく呟いた。
(どうして?)
聞きたい言葉は声にならない。
こんなに近くに居るのに先生の心は見えない。
「そう言えば、解って貰えたか?」
「まだ・・・。」
「そうか。」
「諦めなければ必ず夢は叶うから。」
「出来ることからやってごらん。」
「出来ること?」
「自分が成長した所を見て貰うとか。」
「例えば?」
「文化祭の一般入場日に招待してみたらどうだ?」
「来てくれるかな・・・。」
「伝えてごらん。
する前から不安になって尻込みするのはお前の悪い癖だよ。」
先生が優しく笑う。
その笑顔に胸がきゅうっとなる。
先生の事が好き。
だから・・・。
卒業の日までこの想いは温めておこう。
生徒じゃなくなるその日まで。