最初で最後の恋だから。ーセンセイー
帰宅してすぐ、母がいるキッチンに足を運んだ。

『お母さん。』

『文化祭なんだけど。』

『出来れば来て欲しいの。』

『いつ?』

『11月3日。』

『分かった。』

あまりにもすんなり了承してくれたから夢でもみているのかと思った。

(頑張らなくちゃ。)

自室に戻ると編み物を始めた。

自分のマフラーはもう半分の長さまで出来ていた。

(出来上がったら編み始めよう)

部屋の隅に置いてある赤色の毛糸。

思い色と和名の付いたその色は先生に似合うと思った。
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