最初で最後の恋だから。ーセンセイー

クリスマス

「次のイベントはクリスマスだね~。」

いつものようにお弁当を広げてランチタイムを始めると紗智が嬉しそうに言う。

「その前に期末テスト。」

「テストは置いといて!!
恋する乙女の一大イベントだよ??」

「まあ、それはそうなんだろうけど。」

私には関係ない、その言葉を吐き出す前に紗智が言葉を繋いだ。

「家庭科部の当面の活動はお菓子作りにしようよ。」

「どうして?」

「今年のクリスマスって木曜なんだよ。
伊藤にお菓子作ってプレゼントってよくない??」

「紗智。」

「家庭科部副部長は部長の恋を応援してるからっ。」

(クリスマスプレゼントか。)

家庭科部としてならいいかもしれない。
私は紗智の提案に乗ることにした。

「紗智は何作るの?」

「紗智はセーターの続き。」

「一緒にお菓子作りするんじゃないの?」

「応援はしてるよ??
でも、プレゼントなんだから一人で作らなきゃだめ。」

紗智にしては珍しくぴしゃりと言う。

「何を作ったらいいんだろう。」

「図書館にレシピ本とかないの??」

「そういうの探したことないから解らないけど多分あると思う。
放課後探しに行ってみるね。
・・・ありがとう、紗智。」

「どういたしましてっ!!」

紗智と別れると私は教室へ向かった。
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