先生に恋して。




教室に戻ろ。



教室に向かって歩き出した私の頬は、涙で濡れ始めて。


拭っても拭っても流れ出てくる涙は止まることを知らない。



その時。



「なぁ、島崎!」



突然、保健室から出てきた先生が、私の腕を掴んだ。



「ごめん。俺…」


「いいの。先生は何も悪くないよ。私こそ先生のこと困らせて、勝手に好きになってごめんっ…」


先生の悲しい顔、見たくない。


それに、涙でぐちゃぐちゃになったこの顔を見られたくない。


だから早く腕を離して欲しくて、早口でそう言う私。


「違うんだ、島崎。俺さ、お前のこと好きなんだよ」



「え…」




先生の真剣な顔と、声と、少し力のこもった手。


それで全てが嘘じゃないとわかった。


分かったけど。



「ちょっとまって、先生…」



これってまさか付き合う展開?!

何これ、ドッキリ?



「でもな、今はお前と付き合えない」



ですよね。

もう頭がついて行かないんですけど先生。

島崎パンク状態ですよ。



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