孤独な太陽と泣き虫な空
「君、どうしてあんなところにいたの?」
「空を、見ていたの。」
優しく問う綺麗な男性の声に
私はやっと返した。
「あんな木の上で女性が空を見上げるだなんて、危険だよ。
おいで、俺がとっておきの場所を教えてあげる」
「とっておきの、場所??」
「そうだよ、何にも邪魔されない素敵なところさ。」
怪しい。
不思議に怪しすぎる。
こんな夜中に知らない人に。
いくら王宮内といってもついていくのは危険だわ。
「それはどうもありがとう。
でももう十分よ。」
私は、そう笑った。