孤独な太陽と泣き虫な空
元から姫に似合うような
上品な顔立ちではないので
変装すると町娘Aとして溶け込むことは容易だった。
そのため、城から抜け出すこともたやす過ぎた。
うん。
一応、姫様なんだけれどね。
ただサーニャに会うことだけはビクビクとしながら。
城から抜け出してそのまま直進していくと
派手やかなマーケットが見えた。
「わぁ!綺麗な色のオレンジ!」
「お嬢ちゃん!目の付け所がいいよ!
このオレンジは水の国で作られたオレンジでね!
とっても甘いのさ!」
そういえば、水の国は豊富な水と
良質な土から
農作物などがとても豊作に実ると学んだことがあったわ。
水の国といえば…ミーゼね。