孤独な太陽と泣き虫な空
そういって連れていったのは
いつかに彼と出会った木。
私は前と同じように木によじ登る。
「お前さぁ、仮にも姫なんだぜ?」
木の下から
呆れたように私を見上げる兄様。
「でもここからなら空がよく見えるもの!
ねぇ!兄様も上がってきて!」
「俺はいい。
ここからでもよく見える。」
連れない兄様に少しだけむくれたけれど
すぐに気を取り直して
夜空を見上げた。
晴れた空にはあまり雲が出ていなかった。