孤独な太陽と泣き虫な空



「明日でこの国ともお別れですから。


雲のほとんどない空をよく覚えておきたいです。」


そう、つぶやくと。






「お前、王様には会ったことあるのか?」


「いいえ、舞踏会ではじめて!」



夜空から目を逸らして

兄様を見つめると




兄様はまた眉間にしわを寄せて






「仮にも、嫁に選ばれてしまいましたー。なんてことがないようにな。」





そう、当たり前のことを言うように、

私に言った。



< 37 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop