家族のカタチ
『子供達が居ることで結婚しないって考えてるなら「オィ、子供たちの前でその話するなって言ってるだろ。」』


『悪い。』

『今日は帰るわ。また明日頼む。』

そう言って俺は自分のマンションに子供たちを連れ帰ってきた。

子供たちをお風呂に入れ、寝かせつけながら、お袋に言われたことを考えた。

何やってんだ...俺。
小学生や中学生の反抗期のガキぢゃねーのに...

親父と兄貴、姉さんが死んだあの日、俺はこいつらをちゃんと育てるって決めたんだ。

お袋も俺も失った物が多すぎて、正直立ち直れなかった。

そんな時、葵や優希は自分の両親が死んだのを知ってか知らずか、俺やお袋に笑顔を振りまいていた。

兄貴や姉さんが守っていたこの笑顔を守っていきたい。

兄貴や姉さんがこいつらにしてやりたかったことを全部してやりたいって、父親になることを決めた。
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