記憶。

モンブランこと、Tさんと会ってから半年。

今ではいわみんと付き合い、
3か月がたとうとしていた。


Tさんの本名は知らない。
Tさんもまた私の本名は知らない。

Tさんは私を「ひい」と呼んでいた。
私がよく風邪をひいた話をしていたため
ひ弱のひいちゃんと呼ばれていた。


そんな彼に私は
人生初の告白をしようと決めていた。


お酒に負けたんじゃなく、


Tさんが好きだから抱かれたのだと。


私 「Tさんあのね。」

T  「うん?」

私 「私、Tさんのこと好きだったんだ。」

いきなりすぎる告白。
過去形だから笑い話で終わるだろう。

そう思っていた。


T  「えええ。いつよ?
   言ってくれればよかったのに。
   俺だって好きだったよ。」


意外だった。でも嬉しかった。
彼もまた、私を好いていてくれたのだから。


私 「え?彼女さんいたじゃん?」

T  「あの時は別れてていなかったよ。」

私 「うそん。知らなかった。笑」

T  「今もひいの事好きやし。」

私 「またまた。笑」

T  「ほんと。でも彼氏いるもんね。
   あーあタイミング悪いなあ。」


私の中の悪魔がささやく声がした。

「ばれなきゃいいんだよ。」と。







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