記憶。
危ない橋。
健太は私たち3人に変なあだ名をつけていた。
森本奈菜 くそ雑魚なめくじ
木下真央 座敷童
そして私 うまるちゃん
まあ、ほとんど呼ばれることはないんだけど。
私は私で彼にあだ名をつけていた。
もちろん可愛いやつを。
彼の苗字 奥 からもじり、
おぐりん と呼び始めていた。
健太「お前が、おぐりん おぐりん言うから
先生におぐりん言われ始めたやんけ!」
私 「いいじゃん。笑
ね、おぐりんっ。笑」
ため息をつきながらも健太は笑っていた。
どう思います?なんて
他のクラスメイトに聞きながらも
みんながおぐりんと呼び始めていた。
うん。かわいい。
本気じゃなく
嫌がってる彼を見るのが好きだった。
反応がみてて飽きない。
何より普段彼に馬鹿にしかされない私が
おぐりんと呼ぶことで
対等であると感じることができたんだ。