記憶。
「ちーちゃん遅いよ。笑」
学校に着くなり笑いかけてくれる彼女は
数少ない友達。
岸本彩花(キシモトサヤカ)年上のお姉さん。
すごく優しい。
「きしもとさあああんっ」
いつものように私は抱きついた。
岸本さんはインターンシップに行っており、
週1しか学校に来ていない。
甘えられるときは甘えなければ。
「お嬢また遅刻して。....だから....もう。」
担任の先生にもぶつぶつ文句言われるが、
正直どうでもいい。聞いてもいない。
(だって、もっと上の立場の先生に
よくしてもらっているんだから。)
お嬢、と言われるのもこの先生のいやがらせ。
慣れてしまえば問題がない。