立花あかり～過去編～
そんなあたしには日課があった。

それは、毎日森にでて、生えている木の実を採ってくること。

野菜などはここの中庭で育てているらしい。

(ここ、どんだけ広いんだよ…ってかまさかの家庭菜園！？)

毎日驚かされるばかりだ。

しかし、肉は森で捕ってくるしかない。

さすがに家畜は飼っていないようだ。

あたしがここに来る前はずっと野菜を食べていたらしい。

あたしが来てからは毎日木の実を採ってくるついでに兎などの小動物を狩っている。

うまくいけば、鳩なども捕れる。

それを彼はいつも美味しい料理にしてくれる。

掃除が好きだったり、家庭菜園をやっていたりと彼は意外と家庭的だった。

ちなみにあたしは食料調達以外にも散歩をするために森へ行くことがある。

ほとんどの時は一人で行っていたが、彼がついてくることもたまにあった。

だいたいは屋敷の近くにある湖で魚を捕ったり、食卓に飾る花を湖の周りにある花畑で摘んだりしている。

あとは昼寝をしたり。

あそこは夏でも涼しく、とても気持ちがいい。

今まで神経を張りつめて夜を明かしていたあたしにとって、周りを気にせず寝れることはとても幸せだった。
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