JOKER
璃空と樹里が居た。


どうやら、樹里が階段から落ちたらしくそれを璃空が庇ったらしい。

何て言うありがちなパターン…。あたしはそう思いながらノートを床に置き2人に駆け寄った。


「もーう……。2人共大丈夫?」


「あ、うん。あたしは大丈夫だよ?ただ…、片山が。」


「え?」


璃空を見ると樹里を庇った時に足首を捻ったのか足を押さえていた。


「璃空…?」


「…痛えっ……。松川大丈夫か?」


足首を押さえながら樹里に聞く璃空。


「あ、うん。あたしは…。ごめん、片山……。」


うなだれて謝る樹里。
大会って今週…。


「あー、松川。ちょっと俺、結花と話す事あるから先教室戻って貰ってていい?」


璃空は樹里にいつものような笑顔で言う。樹里は璃空が足首捻ったことに気付いてないのか、素直に頷くと教室に行った。


「ねえ、足首捻った?」


あたしは璃空を見ながら言った。


「ぽいなー。今週大会だっていうのに。自己ベスト尽くせねぇよ。」


少し笑いながら言う璃空。


「足首完全完治するまで大会には出させないから。」


あたしは璃空を睨みながら言った。大会は明後日。完治するはずがない。むしろ、そんな足で大会に挑んでほしくない。


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