JOKER
西沢 陸…。あたしは古い記憶を思い出そうとした。


確か中学の頃騒がれていた気がする。あたしは中学生の頃、陸上部に入っていた。
結構、あたしも璃空も地元じゃちょっとした有名な選手だった。


ただ、あたしは陸上はもうやりたくないって思ったから高校入ると同時に辞めてしまったけど、
やっぱり陸上に関わる部活がしたくて、マネージャーになった。


中学生の時に、璃空と走ってた気がする。


「西沢 陸と璃空1度走った事あるはずですよ。ただ負けてましたけど。」


あたしは顧問の先生を見ながら言った。


璃空、あの時決勝に行けなくて泣いてたっけ?
3年の引退大会のやつだったから余計泣いてた気がする。


「なるほど…。先生としても今回の大会は勝ってほしいんだ。


片山もいるし、桜木、中島、佐伯もいる。うちの学校の期待の星だ。」


先生はそう話すとコーヒーカップに入ってあるコーヒーを飲み干した。


「今回の試合…。あたしとしても是非勝ってほしいのでマネージャーとしてやれる事は全力を尽くすつもりです。」


中3の時見たいに泣いてる璃空の姿を見たくない。あたし達はあれから頑張ってきたんだ。


璃空は西沢 陸に勝つ為に。あたしはあたし自身の為に。この大会だけは誰にも譲れないし負けれない。


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